たいむりみっとらぶ [中編]
「―っ。」
自然と、お弁当を持つ手に力が入る。
大賀くんは私に全く気付いてないみたいで。
……私は何を、勘違いしてたんだろう。
お弁当作って なんて言うのは、私にだけかと思ってた。
『彼女』にだけかと思っちゃったよ…
それ以上、見ていられなくてその場を離れた。
でも、さっき見かけた時は一人で居たよね?
もしかして、あの子たちと待ち合わせしてたのかな?
「だめだ…私、わがまま…」
大賀くんが、あの子たちと待ち合わせしちゃいけない理由なんてない。
だけど、考えれば考えるほどわがままになっていってしまって。
「わかんないなぁ…」
テニスコートの横にある古いベンチに座って、空を見上げる。
美香が言うように、あの中に紛れればいいのかな?
そういえば大賀くん、積極的な子が好きって言ってたっけ。
「はぁ…。」
小さくため息をついて、お弁当を開けた。