Strange
「…アリスって入院生活長いの?」
「10歳の時からだから、かれこれもう7年かな。」
「……なな…ねん。。。あのっ、もし言いたくなかったらその…」
「私ね、肺が悪いの。」
聞きたかった質問の答えをアリスはサラリと言って苦笑いを浮かべた。
「少しの風邪で肺炎になったりとか、ちょくちょく呼吸困難になったりとか。」
「ありす…。」
明るく言うアリスが痛々しくて言葉がでない。

「でもね、絶対諦めてなんてあげないの。絶対元気になってそこの一番大きな木にお礼言って元気に退院してみせるんだから!」

中庭の一番大きな木を指差して見つめるアリスの姿を美月は見つめていた。
「知ってる?この病院を退院する時はあの木にお礼をしてからじゃなくちゃいけないのよ!“元気にしてくれてありがとう”って、じゃなきゃまた入院するハメになる確率が高いんだから!」
“そう考えるとロマンがあるんだって!”お決まりの台詞を言ってその木に駆け寄ったアリスは木に抱きついておでこをつけると
「今日もありがとう。」
と呟いていた。
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