Strange
どうやら部の発足はアリスの中ではもう決定してしまっているらしい。
メンバーはもちろんショウタとリョクとアリスの3人。
今なら参加を辞退して帰ればもう二度とかかわりあいになることはないだろう。
しかし断った所で翔には真っ白な夏休みが待っているだけだ。
翔は暇つぶしに部に参加しよう。
と決めたがやはりその名を使うのは恥ずかしかった。
「え?ダメかな?いいと思ったんだけど。」
アリスは腕を組んで考え込む。
“ちょっとダサイし”とはさすがに言い出せず
「いゃ、そのままだし。何か他にもっといい名前を考えようよ。」
と提案してみる。
「例えば?」
「えっ?たっ例えば?」
急な返しに今度は翔が考え込む。数分の無言。。。

「Strange。」

沈黙を破ったのはリョクだった。
「スト…何?」
「ストレンジ。変わり者、とかそういう意味。なんか君たち変わってるし。」
言ってリョクはどこか自信なさげに
「その、ただの思いつきだから…」
と、うつむいた。
「変わり者かぁ。」
翔が言って
「変わり者、ね。」
アリスが言う。
「いいんじゃない!英語ってトコがロマンがあるし。私は気にいったわ♪」
「僕も、それでいいよ。」
“青春エンジョイ部よりはマシ”という言葉を飲み込んで翔もうなづいた。
「じゃあ、青春をエンジョイすべく“Strange”発足!って事で。みんなこれからよろしく!」
アリスは胸の前で手を合わせて満面の笑みを浮かべていた。
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