Strange
「ショウタはさ…」
「ん?」
リョクがいつもどおり控えめに訪ねてくる。
「ショウタは何か多きな壁にぶつかった時、どうする?」
「え?」
「目の前に大きなドアがあるんだ。そのドアを開ければ新しい世界が待っているけど、そのドアを開けて新しい世界に進むのが恐い。どうしてもそれができないんだ。そんな時、どうする?」
控えめなわりにはなんとも難しい問題である。
真剣な表情のリョクに中途半端な答えを返してはいけない気がした。
「あっ、いやごめん急に変な事きいて。」
視線をそらしてうつむいたリョクを見てふいに思い出した言葉が口をついて出た。
「とりあえず飯!かな。」
「え?」
「とりあえず飯食って、寝て、起きたらまた飯食って、それから…」
「それから?」
「それから外に出る。」
翔は一呼吸置いて言葉を続けた。
「何かに悩んでる時って『逃げちゃいけない』って自分を追いこんで追い込みまくってダメになる事が多いから一度その場を離れてみる。思いっきり遠くまで逃げるんだ!一度その場を離れてみるとさ、それが自分にとってどのくらい大切なのかが見えてくる。『こんなに辛い思いをしてでも成し遂げるべき事』なのか『こんな思いをするくらいならもうやめてしまいたい』事なのかが見えてくる。導き出された答えがもし後者なら、もうやめてしまえばいい。何をしてもダメだったんだからやる気がない奴にやり遂げられるはずがないし、例え改めて挑戦しても中途半端な結果しか導き出せない。でも前者なら…決して諦めずに頑張る。どうしても逃げちゃいけない時ってあるけど、人間そんな強くないんだから、頑張り過ぎなくてもいいんだよ。」
リョクはグッと唇をかみ締めた。
「なんて、じいちゃんのうけうりなんだけど。」
場の深刻な空気を振り払おうと少しおちゃらけてそう言うとリョクは
「ありがとう」
と小さな声でつぶやいた。
「ん?」
リョクがいつもどおり控えめに訪ねてくる。
「ショウタは何か多きな壁にぶつかった時、どうする?」
「え?」
「目の前に大きなドアがあるんだ。そのドアを開ければ新しい世界が待っているけど、そのドアを開けて新しい世界に進むのが恐い。どうしてもそれができないんだ。そんな時、どうする?」
控えめなわりにはなんとも難しい問題である。
真剣な表情のリョクに中途半端な答えを返してはいけない気がした。
「あっ、いやごめん急に変な事きいて。」
視線をそらしてうつむいたリョクを見てふいに思い出した言葉が口をついて出た。
「とりあえず飯!かな。」
「え?」
「とりあえず飯食って、寝て、起きたらまた飯食って、それから…」
「それから?」
「それから外に出る。」
翔は一呼吸置いて言葉を続けた。
「何かに悩んでる時って『逃げちゃいけない』って自分を追いこんで追い込みまくってダメになる事が多いから一度その場を離れてみる。思いっきり遠くまで逃げるんだ!一度その場を離れてみるとさ、それが自分にとってどのくらい大切なのかが見えてくる。『こんなに辛い思いをしてでも成し遂げるべき事』なのか『こんな思いをするくらいならもうやめてしまいたい』事なのかが見えてくる。導き出された答えがもし後者なら、もうやめてしまえばいい。何をしてもダメだったんだからやる気がない奴にやり遂げられるはずがないし、例え改めて挑戦しても中途半端な結果しか導き出せない。でも前者なら…決して諦めずに頑張る。どうしても逃げちゃいけない時ってあるけど、人間そんな強くないんだから、頑張り過ぎなくてもいいんだよ。」
リョクはグッと唇をかみ締めた。
「なんて、じいちゃんのうけうりなんだけど。」
場の深刻な空気を振り払おうと少しおちゃらけてそう言うとリョクは
「ありがとう」
と小さな声でつぶやいた。