Strange
あれからさらに30分。
結婚式の話がようやく終わったらしい。
美砂とアリスの約1時間30分の話の間に店を訪れた客は3人。これが多いのか少ないのかはわからなかったが、藤堂の話では頻繁に通ってくれる常連客のおかげでこの店は、繁盛とまではいかないまでもそれなりには儲けも出ているらしい。
確かに紅茶も珈琲も、食事もデザートも味はいいし、落ち着きのある雰囲気は一度来たらまた来たくなる気持ちはよくわかる。

「決めた!」

急に大きな声とともにアリスが胸の前でパン!と手を叩いた。
「ここ、私達Strangeの秘密基地にしよう!ねっ、決定!!」
今回も翔とリョクの意見はスルーで決定してしまったようだ。

アリスは満足気に笑ってもう3つめになるケーキにフォークを入れた。
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