Strange
珈琲の上手な入れ方。
次の火曜日。三人は1日“秘密基地”で過ごした。
藤堂のオムライスがひどく気に入ったらしいリョクは弟子入りして作り方を学び、アリスは相変わらずケーキをほおばりながら美砂と延々と何かを話して、翔はというと店員に変わり接客を請け負っていた。
接客といっても水を出し、注文を聞いてオーダーを通す。リョクに料理指導する傍ら藤堂がオーダーされて作ったものを客に運ぶ。それだけの事だったし、この日お昼までに来た客は全部で常連客2人。
後の時間は暇だった。
リョクと一緒に料理を学ぼうと試みたが、包丁で指を少し切ってしまい断念。
アリスと美沙の話には入っていけそうもない。
青春をエンジョイすべき部で、暇をエンジョイしてしまっていた翔だった。
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