Strange
「あの、すいません。美味しく入れられなくて…。」
ガクリと肩を落として謝る翔に斉藤はもう一口珈琲に口をつけてから
「どうして謝るのですか?」
と問いかけた。
「君のいれてくれたこの珈琲はとてもいい味でした。私はとても満足していますよ。」
「でも味なんてほとんどないし…。」
「君のいれてくれた珈琲は確かにまだ未熟な部分も多いけれど、その分これからの成長がとても楽しみです。それにね、私がこの珈琲を“いい味”と感じたのは珈琲を入れる時に一番大切な物を君がこのカップに珈琲と一緒に注いでくれたからなんですよ。」
「大切なもの?」
大きくうなづいた斉藤はカップに残っていた珈琲を飲み干してから口を開いた。
「おいしく入れたいという気持ちですよ。どれだけ美味しい珈琲を入れてもらえたとしても、そこに気持ちが入っていなければその珈琲を素晴らしいと評価する事はできません。そこに込められた気持ちがなければ味なんてあってないようなものなんですよ。」
「気持ち。」
斉藤の言葉をかみ締めるように翔はつぶやいた。
「うん、確かにちょっと薄いけど、この珈琲飲んだらものすごく暖かくなれる気がする!」
翔の珈琲に口をつけたアリスが言って
「僕にも飲ませて欲しいな。」
リョクが笑う。
「あの、珈琲の入れ方、もっと勉強しますから。また機会があれば飲んでもらえますか?」
珈琲になんて興味はなかった翔だが斉藤の言葉がひどく胸に響いた気がして、無意識に言葉が口をついていた。
ガクリと肩を落として謝る翔に斉藤はもう一口珈琲に口をつけてから
「どうして謝るのですか?」
と問いかけた。
「君のいれてくれたこの珈琲はとてもいい味でした。私はとても満足していますよ。」
「でも味なんてほとんどないし…。」
「君のいれてくれた珈琲は確かにまだ未熟な部分も多いけれど、その分これからの成長がとても楽しみです。それにね、私がこの珈琲を“いい味”と感じたのは珈琲を入れる時に一番大切な物を君がこのカップに珈琲と一緒に注いでくれたからなんですよ。」
「大切なもの?」
大きくうなづいた斉藤はカップに残っていた珈琲を飲み干してから口を開いた。
「おいしく入れたいという気持ちですよ。どれだけ美味しい珈琲を入れてもらえたとしても、そこに気持ちが入っていなければその珈琲を素晴らしいと評価する事はできません。そこに込められた気持ちがなければ味なんてあってないようなものなんですよ。」
「気持ち。」
斉藤の言葉をかみ締めるように翔はつぶやいた。
「うん、確かにちょっと薄いけど、この珈琲飲んだらものすごく暖かくなれる気がする!」
翔の珈琲に口をつけたアリスが言って
「僕にも飲ませて欲しいな。」
リョクが笑う。
「あの、珈琲の入れ方、もっと勉強しますから。また機会があれば飲んでもらえますか?」
珈琲になんて興味はなかった翔だが斉藤の言葉がひどく胸に響いた気がして、無意識に言葉が口をついていた。