Strange
病院の出口に向かう前になんとなく気が向いて翔は病院の中庭へと足を運んでいた。
それなりに大きい病院なので中庭も広い。日がほとんど落ちている為か人の姿はほとんど見られなかった。
「なつかしいな。」
祖父がこの病院に半年程入院していたのは翔がまだ小学校低学年の時。張り切って屋根の修理をしていた祖父が足を滑らせて屋根から落下し、ろっ骨を骨折。
それだけなら半年も入院する事はなかったのだろうが、ついでに受けた検査で血糖値の高さが問題になり療養の為にと入院期間が延長されたのだった。
ろっ骨の痛みが和らぐと祖父はお見舞いにきた翔を連れてよくこの場所に来ていた。
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