レンアイ思想
駅前のベンチ
「おじゃましましたぁー」
誰もいないリビングに、私の声がむなしく響く。
アキラ君の言った通り、外は暗い。
隣でアキラ君は玄関の鍵をカチャカチャ閉めていた。
ガチャッ
「よしっ」
鍵が閉まったのを確認すると、アキラ君は私の方を見てニコッと笑った。
「よしっ」じゃないよこのマヌケ・・・。
散々私を振り回しおってこのガキ・・・
髪の毛全部抜いてハゲにしてやろうかこのアホ!!
アキラ君が私の手を握ってきたから、私はパシッと離した。
「・・・・・??」
アキラ君は不思議そうな顔で私を見つめる。