レンアイ思想
「はぁぁ?アンタそれぐらいで泣いてんの?!」
ナエが私を立たせてくれて、バッグも持たせてくれた。
「落としたんなら、サービスカウンターにでも届いてるかもよ?」
そういってフロアガイドを眺める。
良い友達もったもんだなぁ・・・。
私はナエの背中を、お父さんを見る目でみつめた。
「サービスカウンターは下の階だわ」
ナエの後に続いて、私もエスカレーターで下っていった。
サービスカウンターに行くのなんて初めてだ。
落ちてたポーチを、わざわざサービスカウンターに届けてくれる人なんているのかなぁ・・・。
財布ならまだしも・・・
ポーチだぜ?ポーチ・・・。
私はだんだん、ポーチを見つけられる自信がなくなってきた。