【7番目のGood Luck!】
―2年後―
ジェニファーの店の前に
一台の真っ赤な
スポーツタイプの車が
停まった。
ブルーサテンの開襟シャツに
黒いジャケットを羽織った
エリオットが車から降り立つ‥
店に入って来るなり
『やあ!ジェニファー
これから食事をしに行こう!』
真っ赤な薔薇の花束を
担いで手を上げながら
ジェニファーに声を掛けた。
カウンターから彼女を
引っ張り出すと、手にした
花束を差し出す。
『暫く見ないと思ったら!
ジェニファー?仕事中だぞ。』
店主が水を差す。
『エリオット?
どうしたの?』
ジェニファーも驚いて
聞き返した。
『僕は生まれ変わったんだ。』
ポケットから名刺を
取り出すと、
店主の目の前のカウンターに
1000$の札束と名刺を
置いた。
『何か困った事があったら
いつでも言って下さい。』
店主は置かれた名刺を
見て呟いた。
『《13》弁護士事務所?』
エリオットはあれから
勉学に励み、遂にあの時
願った弁護士の道を
歩み始めていた。