天使の恋模様
1 序章
宿題のノートを忘れて、教室まで戻ってきた。
ドアノブに手をかけると、
中から話し声が聞こえる事に気付く。
「ねぇ。皆はもし天使が居るとしたら、会いたい?」
紛れもなく、なごみの声だった。
幼稚園からの付き合いだ。
間違えるはずがない。
「そうだなー。あたしは、願い事をしたい!」
「小凛も、お願い事がしたいです。」
「何を?」
「うーん…なごみみたいになりたいなっ☆」
「小凛は、お料理が上手になりたいなぁー。」
「そうね…私も、お願いするわ。」
「「何を(ですか)?」」
「皆と一緒にいられますように、って。」
「あたしも、そうしよう!」
「なごみちゃんは、優しいね。」
「ありがとう。」
そして三人は、お互いに顔を見合わせてから、笑い出した。
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