天使の恋模様
「なんでよっ!?」
天使からの突っ込み。
パンチ付き。…いいの?天使なのに?
「なんでって…普通に……あれ?何でだろ?」
何か理由があるわけでもないが、俺の長年の勘が「やめろ。駄目だ。」と告げている。
「理由がない、ですってぇ…!?」
「あ。声に出てた…?」
「えぇ。バッチリね!!!」
さっきより低く、震える声で天使は言った。
顔は真っ赤。目尻には涙。よっぽど悔しいらしい。
そして、う~んと唸って、何やらノートのようなものを取り出して
ぱらぱらとめくった。
で。困った顔でこう言った。
「じゃ、じゃあねっ!あのね!その…本当は、これは禁則なんだけれども…
し、しょうがないわ。そぉーんなに聞きたいって言うのなら…教えて…
あげてもいいわよ。」
「いや。言ってないし。」
すっかり高飛車ぶりを取り戻した天使さん。
偉そうに言い放った。
そして。アニメや漫画なら、
どーん!と効果音がつきそうな顔で、細い腰に細い手をあてて。
「こ、の、!私と契約したら、貴方の願いを一つだけ
叶えてあげるわ。…私は、貴方を幸せにするために来たんだからっ!」