天使の恋模様
俺は、小学校の頃のなごみ達の会話を思い出した。
『もしも天使が居るとしたら会いたい?』
俺は答えた。
「え!?本当?」と答えていた。
「えぇ。私は嘘はつかないわ。」
食いついたのがよっぽど嬉しかったのか、満面の笑みで天使は言った。
確かに願いを叶える、と。自分は嘘をつかない、と。
「分かった。契約するよ…。」
背は腹にはかえられぬ、って言うし。
「言い方が違うわ…?私は天使よ?」
天使は二ヤッと笑みを浮かべる。
「契約…してくださいませんか…。」
―もう…あとは野となれ山となれ、だ。
天使は、満足げの頷き桜の木からふわりと飛び降りた。