天使の恋模様

屋上についてドアを開けたなごみの目に初めに入ったのは木陰で寝ている秋の姿。
それを見たなごみはほっ、とした。
いつも寝転がり、寂しそうにしている顔がそこにはなかったから。

眠っている秋起こさないようにゆっくりと近づいて、ゆさゆさと揺さぶってみる。

「秋!秋!ねぇってばっ!秋ってば!」

何回か呼んでみてやっと目を開けた秋は、一瞬驚いて、ほっした表情をした。


「あぁ…なごみ…」

私はさっそくここに来たもう一つの目的である、秘密を話した。

でも…せっかく話したのに思っていたより秋の反応はいまいちで…

なごみはがっかりした。

まったく…私の話なんてどうでもいいのね…上の空だわ!


(まぁ。上の空なのには、理由があるのだが…)

私を、恋愛対象として見てない事なんて…私が秋の人生の中でのヒロインになれないことなんて…とっくにわかってる。

わかってるのに…


悲しかった。




それでもなごみは、HRに間に合うように、優しく秋を起こしてあげるのだった。




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