天使の恋模様
屋上
雲ひとつなく、晴れ渡った青い空。
俺、河上 秋(かわかみ しゅう)は、
屋上のフェンスに寄りかかって校門を見下ろしている。
どこからともなく湧いてくる在校生。
手に持ったイチゴオレを飲みながら、
生徒たちを眺める。
「夏だなぁ。」
今更だが、呟く。
生徒たちが着ているのは、夏の制服。
そう。
今は夏だ。
しかも、夏休み、一歩手前。
夏、一番の楽しみのプールの授業も終わり、
残るは、期末テストのみだ。
まぁ。勉強するきなど、
さらさらないが。
イチゴオレのストローがずるずると
だらしの無い音をたてる。