天使の恋模様

「それでさぁ!さっき言った大ニュース。」
俺の席まで追いかけてきた賢太。御苦労さまで。

「で、何だって?」
「それがさぁ。転校生が来るんだと!で、その子がさぁー…」
「美少女なの?」
「おぉ!よくわかったな!当たりだ!さすがわが友っ!」

嬉しそうに言う賢太。まぁ…じゃあないと。お前が騒がないもんな。

「名前は、何なんだ?どうせお前ならもう調べてんだろ?」
「もちろん!それがさぁ!名前も可愛くて…」


「お前らぁー、席つけよぉー…ふぁーあ。」

と、ここで眠そうな担任が登場した。美人なんだが、どこか幼い顔立ちで親近感がわくうえに、頼りになって…と生徒に人気の柴田先生だ。

「えっと。早速だが…今日は転校生が居るんだ。まぁ…柊に言ってあるから…皆知ってるだろうけど…」

クラスには、期待の雰囲気が漂い、生徒の目は、『説明はいいから早く入れてくれ!』と言わんばかりに輝いている。

ふと、賢太をみると背後から期待のオーラが漂っていた。
アイツ、おとなしくしてれば顔はいいのに…もったいない…

説明するのが面倒くさくなったのか、教師は「もういいや…おーい、転校生入れ。」と、廊下に向けて叫んだ。

クラスの空気が固まり、期待が絶頂に達した。
緊張の一瞬。


36人72の瞳が集まる中、扉が開いた―。
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