天使の恋模様
世界がまるで呼吸を止めたかのように、神秘的な空気を2年B組を包み込んだ。
その少女は、金色に輝く長髪を風になびかせ、壇上を颯爽と歩く。
あまりの美しさに目を見開く生徒。
俺だけは違う意味で。
教卓の前に立つとまっすぐ前を見た。
整った顔立ちがあらわになり、全員が息をのんだ。
「うわー…綺麗…」
「…うっわぁ可愛い…」
「天使見たい…」
数人が呟いたとたん、クラスに音が戻ってくる。
「な、な、な、」
俺一人だけが、これからの我が人生の安否を考えていた。