天使の恋模様
今日は、終業式で。
明日からは夏休み。
さっき廊下に張り出された順位をみて、小羽となごみの席に集まっているクラスの女子軍。
「ねぇ!桜さんっ!桜さんて、頭いいんだねぇ!!!」
「なごみ!あんたの頭脳私に頂戴よぉ!!」
「ねぇ!小羽ちゃん♪この問題って答え何!?」
「なごみぃー!私の宿題手伝って!!!」
矢継ぎ早に繰り出される質問に笑顔で答えるなごみ。
小羽は…。
「…あの…」
小羽の発した一言に止まる質問。
「私…別に頭がいいとかじゃなくて…!」
何と言うのか興味津津の女子軍。
いきなり静まりかえった事に驚く小羽。
「う、あ…えと…ま、前の学校の授業が進んでただけだからっ!!」
あーあー。せっかくお前に興味持ってんだから、ちゃんと答えてやれよ…。
顔を赤くしてフイッと横を向く小羽。
まぁ、どっち見ても人がいるけど…
シーンと静まる教室。
居ずらくなったのか、ガタっと席を立ち、小羽はドアへと向かい…視線の中、教室から出て行った。