着ぐるみの恋
月子は悩んでいる。
修二さん、初めて会ったあの日から、私は恋に落ちた。
あなたを騙すつもりも、利用するつもりも本当になかったの。
でも結果的には、あなたを騙した事になるの?
利用した事になるの?
お客以上の、それより何倍以上の熱いこの気持ち、伝える事を邪魔してきたのは、この皮膚病のせい……。
そんな事、修二さんは知る由もないから、客扱いされてると、思ってきたかも知れない。
月子は鏡台の前で全裸になった。
そこには相変わらず、女ヒョウが一頭。
均整とれた、手足の長い美しいヒョウが泣く。
この体、あなたに見せる事は出来ない。
この体、あなたに抱かれる事は不可能。
もし口説かれたら、求められたら…諦めましょう。
どんなに辛くても、そこで終わりましょう。
神様、一生のお願いを今使わせて、もう二度と言わないって約束するから……明日、私を人間に戻して下さい。
修二さんを…愛しているの……。