着ぐるみの恋


兄は、龍子を大学病院に連れて行った。

同じ乾癬患者の写真を次々に見せられ、この病気は焦らずゆっくり治していくようにと、アドバイスを受けた。

軟膏以外に、きつい飲み薬も貰った。

が…この薬も個人差により、効能があるかどうかはわからない。

これを飲み続ける以上、副作用強く、定期的に検査が必要だった。

検査結果の数値が悪くなれば、その薬もそこでストップ、また違った薬を試さなければならない。

焦らずゆっくり?

他人事だと思いやがって!

女の外見一番美しい時は、今しかないんだよ!

いつか時が経って、もし完治したとしても、おばさんになってからでは遅過ぎる。

医者の話…聞けば聞くほど…龍子の心は闇の世界。

真っ暗闇の蟻地獄…もがいても、もがいても、滑り落ちる。

どうか、俺の体と代えてくれ~

遺伝?何で、俺じゃなく龍子が引き継いだんだよ?

兄は胸を痛め、塩辛い涙を何度も何度も…飲み込んだ。


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