着ぐるみの恋
公衆トイレの中、修二の心臓音はドクドクと、大きく強く波打つ。
この心臓音さえも、相手に聞かれては困る。
暫く、暫くの間だけ、沈黙、無の世界に身を置こう。
その時だった!
胸ポケットから、光と共に携帯の着信が!
ッルルルル~ッルルルル~
しまった!
慌てポケットから携帯取りだした。
電源切ろうとした瞬間、ディスプレイに月子!!!
月子…今さら、何だよ……。
と、こっちに向かって来る人の気配!
それも一人ではない、何人か人数が増えている。
修二は携帯を真っ二つに折り曲げたかと思うと、便器に捨てトイレから飛び出した。
見つかった!
4、5人がこっちに向かって来る。
もう駄目かも知れない。