着ぐるみの恋


複雑な事情抱えながらも、私の事を好きでいてくれた修二さん。

私もよ、本当に愛してたわ…今でも?

今でもよ、本当は片時も忘れた事なんてなかった。

でもね、もう二度と会えないと思ったから、忘れよう、忘れようって言い聞かせ生きてきたのよ。

病気がよくなっていくと反比例に、私の心は、徐々に生気を無くしていったわ。

そして、終に心は息絶え……お客との感情伴わないセックス…揚げ句の果ては、囲われ身の2号……。

死んだ心の墓場に…愛人生活を選んだ私。


笑っちゃうでしょ?

笑ってよ。

笑いなさいよ。

何で…何で…修二さん生きてたのよ?

生きて、私の前に現れたりなんかするのよ…。

心臓が痛い、痛いよ……墓場から、私の心を掘り起こさないで、お願いよ……。

死んだ月子の心は…再び…息を始めた。


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