着ぐるみの恋
月子…この街でまたお前に会えるとは、夢にも思っていなかった。
俺が見つけた観音菩薩…あの表情は七年前とちっとも変わってないや。
自分の店か…これまで一人で頑張ってきたんだろうか……。
それとも影に男がいるのか…そんな事はどうでもいいや。
お互い生きて会えたんだ。
もう一度巡り会えたんだ。
月子が元気に生きてた……それだけで…上等だぁ。
「修二よ、人の話し聞いてんのか、こら」
横にいた大山が、頭を小突いた。
この日の呼び出しは、ビジネスの話しだった。
人夫を集め建設会社にまわす、言わば人夫出しの仲介業を、当座のしのぎにしろと言われた。
ここの所、ヤクザも不景気の時代に入った。
後は、己れでしのぎを探していけと…お前なら出来る筈だと大山は言った。
それよか……元気でよかったぁ、月子~