着ぐるみの恋
月子は部屋に帰った。
「ただいま~」
「おかえり、月子」
原田はソファーで寝転がり、テレビを見ていた。
と起き上がってきた。
「今日は早いな、という事はお腹空いてるだろ?」
「うん、少しだけ」
月子は深呼吸で息を整えた、平静を、平静を装わなくては、安心感を、安心感を与えなくてはいけないと……。
「ラーメン作ろうか?それともお茶漬けにしようか?」
と原田はキッチンに行った。
「お茶漬けがいいわ」
「了解~お客様、少々お待ち下さいよ♪」
何?何なの?今日は……。
特別優し過ぎるし、機嫌が良過ぎる。
昨日…あれだけ私に拒否されたのに…この態度の意味には何が隠れているの?
何だか不気味、怖い。
原田を目の前に、月子はお茶漬けを口にした。
「月子、いつもお疲れさん、疲れただろ?」
気持ち悪いくらいに優しい?
「大丈夫よ…この頃少しずつだけど、売上も回復してきてるの」
「そうか、ならよかったよ」