着ぐるみの恋
中学生になり、豊はサッカー部に……
修二は帰宅部……
授業が終わると、する事もなく只ブラブラしている内に、暴走族達との付き合いが始まった。
免許とれる歳にも達してないのに、仲間のバイクに股がり、走る事に参加した。
深夜、仲間と共に暴れまわった。
中学生では考えられないくらい、修二はお金を持っていた。
金の出どころは、母と言う名の金庫。
母親は、自分の遊びを邪魔されたくないが為、子供には幾らでも小遣いを与えた。
修二が請求しても、しても、幾らでも黙ってくれた。
欲しいだけ与え続ける……これが一種の子供虐待である事さえ…このお嬢様母にはわからないだろう。
金の魅力に惹かれるのは、大人も子供も同じ。
自然と、修二の周りには仲間が集まった。
何度も何度も、修二は家出を繰り返した。
初めの内は、両親とも懸命に探し、説得し、家に連れて帰ってはいたが、それも回を重ねる毎に慣れてしまった。
両親は諦めの境地へと入っていった。
仲田家で…修二が家に帰って来ない事は、当たり前、普通となった。