着ぐるみの恋
修二が言葉を選ぶ様に、ゆっくりと話す。
「月子ね、お前の気持ちは分かるよ…でもさ…俺と月子が一緒になる事は…これは運命だったんだよ。オヤジが身代わりに弾かれ、俺と月子が、今、ここに生きてるって事は…こうなる運命だったと思う…」
「修二さん……」
人は皆、魂の求める場所へと向かう。
お兄ちゃんは、安らぎのある家庭に自分の場所を確立した。
お父さんは、死ぬまで自分の場所を離さなかった。
そんな父を求めたお母さんは、惚れた男の魂のもとでこの世を去った。
原田の魂は、自分の生と引き換えに、私の心中にへと入り込んできた。
私の魂が求めるものは、修二さん、あなたしかいない。
どんなに断ち切ろうとしたって、我慢しようとしても、愛は消せない。
言葉が、体が嘘つこうとも、魂だけは嘘をつかない。
もう、向かうしかない。
原田の思いを提げたまま、私は…自分が求める場所に進みます。