着ぐるみの恋
修二は大山宅に住み込み、ヤクザの見習い修行が始まった。
先ずは家事から…。
炊事、洗濯、掃除、家では、家政婦達が全てやってきた。
やり方なんて、なぁ~んにも知らない。
兄貴分に米を洗えと言われた。
米びつから米を出した、何で洗うんだ?
目の前に、食器洗いの洗剤があったので、米にかけてみた。
水を入れる。
かき回していたら、いきなり目から火花が飛んだ。
兄貴にぶん殴られたのだ。
倒れている修二に、兄貴は容赦なく、今度は蹴り上げた。
「お前、何考えてんだよ!」
と、そこに大山が登場。
「こら!止めたらんか!一から教えたらな、わかれへんがな!」
と言ったかと思うと、大山が直々に米を研ぎ、修二に手本として見せた。
組長が米を…洗っている。
側にいた兄貴分達は、只、目を白黒させるばかり、言葉も無くした。