着ぐるみの恋


修二は大山宅に住み込み、ヤクザの見習い修行が始まった。

先ずは家事から…。

炊事、洗濯、掃除、家では、家政婦達が全てやってきた。

やり方なんて、なぁ~んにも知らない。

兄貴分に米を洗えと言われた。

米びつから米を出した、何で洗うんだ?

目の前に、食器洗いの洗剤があったので、米にかけてみた。

水を入れる。

かき回していたら、いきなり目から火花が飛んだ。

兄貴にぶん殴られたのだ。

倒れている修二に、兄貴は容赦なく、今度は蹴り上げた。

「お前、何考えてんだよ!」

と、そこに大山が登場。

「こら!止めたらんか!一から教えたらな、わかれへんがな!」


と言ったかと思うと、大山が直々に米を研ぎ、修二に手本として見せた。

組長が米を…洗っている。

側にいた兄貴分達は、只、目を白黒させるばかり、言葉も無くした。


< 25 / 248 >

この作品をシェア

pagetop