着ぐるみの恋


ゴージャスで広い店内、シャンデリアにペルシャ絨毯…BGMは生ピアノだ。

客は結構入っていて、繁盛していた。

ボーイに案内されるまま、修二はボックス席にドーンと腰を降ろした。

堂々たる態度で…

「キープボトルのメニュー見せてくれる?」


月子はカウンター席で、仲のいいホステス、絵理子と待機していた。

小声で話に夢中になっていた時、その背後にボーイが来た。

「月子さん、ご指名が入りました」

「えっ?私?…わかりました」

今日は、予約のお客様なんていなかったんだけど…誰かしら?

何軒か電話したけど、皆断られたのに、突然気が向いたのかな?

まぁいいや、嬉しい事だわ……。

7番ボックス席まで歩いて行った。

途中で…手を…スカートの膝下をチェック。

発疹が巧くメイクで隠されているか…月子は常に気を付けていた。

直ぐそこが7番ボックス…その時!

月子は、この上なく驚いた。


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