着ぐるみの恋
ドレスから出ている、美咲の白く透き通るような腕が…月子の脳を過る。
どうして修二さんの席に?
修二さんが呼んだの?
何一つ返す事出来ない私より…病気持った私より……。
修二さんが望むなら、別に私でなくてもいいのよね。
ここは…所詮、大人の遊び場……おもちゃは玩具は面白い方がいい。
本当の愛なんて…存在しないし、してはいけない……。
修二さんには美咲が合っている、きっと……。
美咲は、修二の耳たぶに…また囁く、ゆっくりと……。
「月子の味見はもう済んだの?」
修二は前を向いたまま…煙草持ち、ゆっくりと細い煙を出す。
「あの子の肌…アトピーとか言ってるけど…それってホントかしら…けっこう…外人さんとかと遊んでて…性病って噂あるの…知ってる? 気をつけた方がいいわよ……また電話くれると…嬉しいな…」
修二は、煙草を揉み消した。
といきなり立ち上がり!
美咲の頬に思い切り、容赦なく拳を入れた。
「ぎやぁ~」
美咲は席から落ち、倒れた。
「このスベタ女め!てめぇ、ええ加減な、アホな事言うてたら、ぶっ殺すぞ!」