着ぐるみの恋


次の日から、修二から電話はあるものの、来る事はなかった。

日曜日になった。

ゆかた祭りも終わり…明日からまた頑張らないと、修二さんの優しさに応える為にも…。

その時、携帯の着信音、修二だった。

「明日から、店出るんだよな?」

「えぇ…修二さん、色々ありがとう。感謝してるわ。明日からまた頑張るわ、私」

「そっか…じゃぁさ、明日は…同伴しようか?」

「えぇっ?いいの?」

「初めて同伴したさ、あの寿司屋で待ってるよ」


その頃、修二の会社の経済状態は下り気味だった。

レンタル業は、他の組が入り込み、やんわり表沙汰にならない程度に得意先が取られていた。

不動産業も、初めの頃は勢いがあったが、今では、物件が全く動かず下火だった。

が…そんな状態に、修二は丸っきり無頓着。

生活水準を変えようとはしなかった。

その上、月子に盲目となってしまった今では、組に入れる上納金さえも滞納している事、すっかり忘れていた。

ヤクザの甘い汁ばかり吸ってきた修二……これから、苦い汁が待ち受けている事も知らず……。

♪こっちの水は甘いぞ♪♪あっちの水は苦いぞ♪♪ほ、ほ、ホタル来い♪



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