着ぐるみの恋
行くとこまで、行こうと決めた筈だった。
修二さんが、体求めてきたら…その時は…そこで…お芝居も終わり。
でも仕方ないこと、わかってた事じゃない。
このまま平行線のまま、永遠にお芝居が続くなんてありえない。
生きてる事に変化は当然……。
修二が言った。
「一つだけ、我が儘聞いてくれないかな」
「何なの?」
「月子の料理が食べたいんだ。弁当作ってきてくれないか」
「うん、わかったわ」
「じゃ、ドライブがてらに海でも見に行くか?」
「えぇ……」
女優月子は満面の笑み、余裕の表情で修二を見た。
心中は……星も月も消えた暗黒の闇……。