着ぐるみの恋
車は、月子のマンション前で停車した。
ドアロック解除した修二が言う。
「今日はありがとう。弁当美味しかったよ」
「ううん、こっちこそありがとう。」
「月子、明日、明日また店でな…」
「明日ね、待ってるわ」
車は走り去った。
月子の心境はかなり複雑に絡む。
今日が最後じゃなかった、でも、これで本当にいいの?
明日から、修二さんはまた客になるだろう……それも、多額なお金なしでは私に会えない。
これ以上、あの人の気持ち引っ張り続けるなんて……長く騙し続けるなんて…辛い…もう出来ないや……。
あなたが好きだから……。
何で? 無理矢理に私を求めてこなかったの?
今日で終わりにしてくれなかった?
その方が…その方が楽だった。
今日、今終わってた方が…傷は浅かったのに………。
明日が見えない……。