小さな約束



「目を閉じて10秒深呼吸」


自分の中でたっぷり10秒数えゆっくり目を開ける。

「これで俺らは契約者だ」

ニンマリと智也が言うが,でも,と付け加える。

「でもいいか,気をつけろよ。この白魔術は誰か他のやつに話すと解けてさらに悪いことが起こるらしいからな」


「分かってるよ。絶対誰にも話さない。んで,16歳になるまでは自分から告白もしちゃいけないんだよね?」


「うん。相手からしてきた場合はいいけどな」


「約束だぞ」


「破っちゃ,駄目だからな」


護が控えめに,だけどしっかりと言う。

「・・・・僕,負けないから」

「望むところだ。勝てるもんなら勝ってみろよ」

余裕の笑みで智也が応える。


「護くーん,智也くーん!一緒に写真撮ろっ」

向こうから二人の大好きな女の子が走ってくる。

二人は顔を見合わせて笑ってその子の元めへ走っていった。





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