trick Or trёat!
バタン!と開かれた扉。
現れたのはもちろん。
「颯っ!」
「お前、昨日も怒られてただろ。」
俺の愛しのハニー!
「だって急いでたんだもん!」
「だからって走んな!」
「颯に言われたくない!」
…じゃなく、クソ紅葉。
「あ、じゃあ俺いくわ。」
樹は俺たちに気を遣ってか、そそくさと病室を出ようとする。
「え、ツリーもう行くの?」
「うん。俺、この後サッカーするから。」
「…そっかぁ。」
おい。
何しょんぼりしてんだ、紅葉!
「んじゃ、また来るわー。」
「おう、じゃーな。」
早く帰れ、帰れ!
そしてひらひらと手を振り、歩き出した樹。
「あ、そうだ由井。」
だけど何か思い出したように立ち止まった。
まだ何かあるのかよっ!!!