あいらぶゆー2
裏から違う道に出れるようになっていた。


オレたちは男に見つからないように、ヤツが先の角を曲がったのを確認してから、同じように裏手の道を通って行った。


足を進めると、角の向こうの見えない場所から、男の声がした。


『止・ま・れ』


舞に口パクで合図をする。


彼女はオレをじっと見て、コクリと頷いた。


か細く震える男の声が聞こえる。


「…オレ、どうしよう」


「どうしようって、今更何なのよ」


…女の声だ。違う女と、ここで落ち合う約束してたのか?


「彼女、子供は堕ろしたくないって…」


何だ?思ったより、話がややこしそーだな…。


舞は、聞こえてくる声に耳をそばだて、ジッと聞き入っている。
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