あいらぶゆー2
一件目はお母さん。


『…亜沙美~!どこにいるの?みんな待ってるわよ~』


…二件目もお母さん。


『亜沙美?…何かあったの?お願いだから一度連絡下さい』


…三件目。


『亜沙美?』


…愛斗だっ!


私は思わず、携帯を耳に押し当て朱兎の位置を確認する。


…まだ寝ているみたいで、彼は私に背を向け寝息を立てていた。


別に、疚しい事してるワケじゃないけど…声を聞いて動揺する事で、罪悪感が芽生えたから…。


『亜沙美…』


受話器から聞こえてくる愛斗の優しい声に、胸が激しく高鳴る。


朱兎の囁きとはまた少し違う…。


心の奥底から撫で上げられるような、甘美な囁き。



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