あいらぶゆー2
~愛斗~
「花柳さん、お電話です」
フロントからスタッフが駆け寄って来て、オレにこっそり耳打ちする。
オレはカットしてる途中の手を止め、軽く挨拶した後、客の側を離れた。
電話って相手は?
スタッフに聞いても、首を傾げてる。
オマエら仕事しろよ…。
スタッフルームに入り、点滅している外線ボタンを押した。
「お電話代わりました。花柳です」
ガラでもないが一応店では、電話を取り次がれた時はそう言う事になっている。
『…花柳?』
「はい。花柳です」
『………』
人を呼んどいて、何だこのクソ野郎。
そう言いそうになる気持ちを抑え、にこやかに…口端を上げつつもう一度。