あいらぶゆー2
家に帰ると、ちょうど出かけようとしているお母さんに出くわした。
「お帰り~。亜沙美、後でお店のホームページ見てくれる?優羽吾、更新サボってるみたいで。今日発売のスィーツがアップされてないのよ」
「は~い。お母さんは?打ち合わせ?」
「そーよ。最近愛斗のお母さんと仲良しになってね~。あ、何だったら亜沙美も行く?愛斗に会いに」
「はぁ?行かないし!」
お母さんは、私の気持ちに気付いてるのかどうか。
ニヤニヤすると、私の首に勢い良く腕を引っ掛ける。
「お母さん、く…くるしー」
「よーし。来なさい。その代わり、途中で寄る所あるから。亜沙美も将来の勉強の為に、これからは私と一緒に色々まわりなさいよ」
「見たってわかんないよ。私、このお店継ぐ気ないし…。そのうち、お兄ちゃんが戻ってくるでしょ?」
私がそう言うと、お母さんはフフっと笑った。
「誰がそんな事言った?優羽吾には優羽吾の人生があるんだから。
この店の後継者はね、ちゃんと考えてあります」
後継者?え、お兄ちゃんじゃないの?