あいらぶゆー2
お母さん、きっとここへはお客様として来た事がないんだよね。


そっちはVIPしか入れない特別な入口なのにぃ。


こう!と思ったら聞かないお母さんの後ろを、俯きがちについて歩く。






愛斗…今、接客中かな。


それとも取材で…いない?








ドキドキするよ。


しかも、私フザケた格好してるしぃ。


どう見ても、普段着には見えない…。








「…あら?これってどっちに入ったらいいの」


案の定、お母さんは立ち止まる。


右は絶対ダメ!


愛斗か、オーナーか、他の誰かがきっとVIPルーム使ってるよ。


お母さんを遮るように右の扉の前に立つと、


…声が聞こえてきた。


『そうっスねー、じゃあまた次の機会に』


愛斗の声だ。


今…部屋の中でお客さんと喋ってるんだ。で、何が次の機会に、なの?


よく聞こえない。


扉に耳を押し当てていると、お母さんに腕を引っ張られる。


「亜沙美、こっち」


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