あいらぶゆー2
彼女の名札には、『Mai』と書いてあった。


このお店、みんなに呼んで欲しいニックネームの名札を首からストラップでぶら下げてるんだ。


さすがに、愛斗クラスになると…それはないんだけど。


ま、愛斗の場合は、ダセェって言って、絶対つけなそーだよね。







「ご予約のお客様ですか?そちらは裏口になりますので…こちらへどうぞ」


彼女はもう私の方を見なかった。


お母さんの前に立ち、私たちを入口のソファへ誘導する。


そっか…私がこんなフザケた格好してるから、驚いたんだね。


コスプレ好きの学生が、母親と一緒にカットに来たって思われたのかも。


…恥ずかしー。


私がそんな事を考えている間にも、お母さんは名前を名乗り、オーナーを呼び出していた。


途端に彼女は慌てて、奥の部屋にオーナーを呼びに行った。


「今の子すごく感じいいわね、引き抜いちゃおーかしら」


お母さん、クスクス笑ってる。


「引き抜く…って、全然仕事内容違うしっ。向こうはメーワクだよ」


「でしょうね」


本当、何言い出すんだか。


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