あいらぶゆー2
「初めまして。娘の亜沙美です」


ぺこりと深くお辞儀をすると、顔を上げた時愛斗のお母さんはニコニコと微笑んでいた。


愛斗に似て、芯の強そうな瞳。


ハキハキしてるし、うちのお母さんと仲良くしてるのが…何となくわかった。


雰囲気こそ違うけど、自分の会社を自ら切り盛りしていく…


そんな強さが、二人からは滲み出ている気がする。


うちのお父さんは、経営にはそれほど興味がないからね。


あのお店や品物、従業員の事で手いっぱい。


もし…結婚したのがお母さんじゃなかったら、うちのお店はあんなに有名にはならなかったかも知れない。


それはそれで…


良かったのかも。


お兄ちゃんや私が離れ離れになった原因を作った張本人は


お母さんなんじゃないの?


たまに、そんな事を思う。


もっと…普通のお母さんなら良かったって。


私やお兄ちゃんが普通でいられないのは…


お母さんが家の事そっちのけで、自分のやりたい事ばかりをやってきたから。



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