あいらぶゆー2
「聞いたわよ。彼、一度は逃げたらしいじゃない。そんな相手と結婚するなら、亜沙美の方がいいわよねぇ?」


「冗談じゃないよ!はっちゃんも何か言ってよぉ…」


亜沙美がハチを揺さぶる。


この二人…ただの主従関係なだけで、お互い何の恋愛感情も持ち合わせていないってのは、オレでもわかる。


コイツ…亜沙美と結婚したら、一生うだつのあがらねぇ亭主だな。


嫁の親にこき使われ、嫁には毎日文句言われ…。食うには困らねーだろうけど、それこそまさに、一生を捧げたタダ働き。


可笑しくて笑いそうになるオレを、オカンが後ろからど突いた。


「愛斗!明日から、オマエが亜沙美ちゃんの担当だからね」


「…はぁ?冗談だろ。何でオレが。毎日忙しいっつの」


しかも…嫌だろ、亜沙美が。


つい先日、オレらの間にあった出来事も知らねぇで…よくもズケズケと。


オカンを睨むと、瞬殺された。


ドカッ


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