あいらぶゆー2
「私だって庶民だよ…」


「いやいや、親健在でマトモに学校出てさ、それが庶民なら…オレは何なワケ?」


「だってお嬢なんて言うから。うちだって、生活豊かなワケじゃないよ…。大学も、お金借りたから働きながら返してるよ」


「マジー?先生も意外と苦労人なんだなぁ。ま、それでも恵まれてるわ」


そうだよね。確かにそうかも知れない。


黒谷くんは、先生たちに悪く言われてたけど…家族の為にこうやって働いて、やっぱり本当はすごく優しい子なんだよね。






「あ、勘違いすんなよ。好きで働いてるし。それに、オレは働く方が性に合ってるみてーだわ。

学校も…落ち着いたら、定時制でも行こーかと思ってる」


「え…」


「あんだけダルかったのにさ、辞めてみると…寂しーもんで。

また、センセーみたいな人いるかわかんねぇケドな」


「黒谷くん…」


「つーコトで、嫌々退学したワケじゃねぇから。亜沙美の知り合いの店で起きたあのボヤは…オレが仕掛けたんだケドな。ま、もう時効?」


「あれは…黒谷くんが?」


嘘…信じてなかったけど、そうだったんだ。


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