あいらぶゆー2
「あれは…黒谷くんの指図、だったの?」


「そ。不完全燃焼だしさー、つまんねぇから、結局オレが手ぇ下そうと…思ってたんだよな。

でもそん時、何でかセンセーの顔が…浮かんだ」


え…?






「バカやったら、マジで退学になるかなとか…センセーだけは抗議してくれそーだな、とかさ。

生まれてこの方、守られた事ねーから、何か不思議な感覚でさ」


黒谷くんは、切なそうな表情をして…その場で大きくため息をついた。


「そんな時…亜沙美から手紙が来てさ。半年待ちだって言われてた病院に…すぐ親父が転院できる手続きとってくれてたんだ。

亜沙美がうちの親父の病気知ってた事自体驚きなんだけど、最近病状悪化してきてて…転院しないとマズかったんだよな。泣いたよ…家族みんなで」


黒谷くんは…そう言って、俯いてしまう。


「亜沙美ちゃんが…そんな事を?」


でも…黒谷くんが学校に来なくなった頃、亜沙美ちゃんはそれどころじゃなかったはず。


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