あいらぶゆー2
「…亜沙美ちゃん、先にVIPルーム入って待っててくれるかな。花柳さん探してくるから」


「はぁい」


光さんはそう言うと、私の姿を上から下までを見て、眉を少し寄せる。


「…亜沙美ちゃん、今着てるの…制服だよね?」


「…そーだけど?ほら、早く愛斗呼んで来てよ」


「う…うん。自分で移動させてごめんね。じゃ」


彼女は何か言いたそうな表情をすると、そのまま店の外へ愛斗を探しに出た。


15分遅刻したからかな。


ま…彼にとって、そんなもんなんだよね、私は。


愛斗はお兄ちゃんの同級生で、そして私の初恋の人だった。


物心ついた頃からうちによく遊びに来てくれて、お兄ちゃんがうちからいなくなった後も、よく私の面倒をみてくれたっけ。
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