あいらぶゆー2
巡り合わせ
~愛斗~
「花柳さぁ~ん」
…げ。
仕事の後ミーティングを終え、こっそり帰ろうとしていると…背中から甘ったるい声が聞こえてくる。
ヤバイ。あいつに見つかったら最後。
上着を手に、裏口から慌てて逃げようとしているオレを舞が一喝した。
「こら~ぁ!逃がしませんよっ?」
多少眉を寄せ、ツカツカとオレの元に歩いて来る。
華奢だけど、童顔で丸顔だから、怒っていてもあんまり迫力がない。その顔を、精一杯しかめている。
「舞、頼むから見逃してくれ。今日だけ…」
「ヤ!です。っていうか、花柳さんを逃したら私がオーナーに叱られますからぁ」
オレの腕を掴み、グイッと引っ張る。