愛たくて~あいたくて~
葵の気持ちを受け止める事にした俺は葵に言うはずだった言葉を胸の中にしまった




こうして皆には内緒で卒業まで過ごす事にした



葵と話して皆には言わないことにした




残りの時間を俺と葵は大切に過ごした



出来るだけ長く一緒に過ごした



でも時間は残酷にも過ぎていく




抱きしめる葵は暖かくて



俺は葵の温もりを忘れないようにと体に刻んだ



葵もまた笑っては居るけど寂しそうで…



お互いに選んだ道なのに何度もこれで良かったのかと考えてしまった




葵もまた不安なのか何度も言う


『愛ちゃんごめんね私がもっと強ければ…』



俺もまた何度も同じ答えを繰り返す



『お互いに決めた道だから葵のせいじゃないよ…頑張ろうその為に離れるんだから』



そして葵を抱きしめる




俺の温もりを消さない為に…




葵の中に少しでも俺を感じてもらう為に









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