愛たくて~あいたくて~
家の前で繋いでた手を離して葵が言う



『愛斗…ありがとう』



『お礼を言うのは俺だから』



『がんばってね』



『葵もな』



二人で見つめ合いながら笑った



『暑いなぁ今日は』

睦月は笑いながら言う


『バカ睦月』


そう言いながら睦月と葵の肩を組家に入った




『ただいま』



俺たちの元気な声を聞き母さんは元気そうに言う



『お帰り…今日は卒業パーティーよ』




リビングにはご馳走やら飾りやら




どうやら真琴先輩たちが準備を手伝ってくれたらしい



すみれと歩も来て皆で騒いだ



ゲームをしたり



高校での思い出を語ったり



卒業アルバムを見てバカみたいに笑ったり



皆葵の最後の夜という寂しさを忘れるように騒いだ



きっとこれが皆の葵に対する



そして俺に対する優しさなんだ



だから素直に甘える事にした





こうして葵との最後の夜は別れを惜しむかの様に楽しく過ごした








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