愛たくて~あいたくて~
俺はそう思いながら冷蔵庫に水を取りに行った




その奥から聞こえた愛しい彼女の声




『わってるよ…ありがとう祐季じゃあまたね』




葵が水無月先輩に電話していた




電話を切った彼女




俺はそんな彼女に後ろから抱きついた




『愛斗』



久しぶりに聞く彼女が俺を呼ぶ声




その瞬間俺は葵を連れて家を出た





『愛斗?』



ビックリしている葵



その葵の手を引き俺はひたすら歩いた



何も言わずただ葵を連れていく





そして俺のマンションへ



『ここって』


葵はドアの前で不思議そうに立ち尽くす



『今の俺んち…まぁとりあえず入ってあの家で話してたら誰が聞いてるかわかんないから』



『うん』




部屋に入れてから長い沈黙




俺は自分の気持ちをどう伝えたら伝わるのか考えていた




それでも言葉が見つからなくて



葵を見つめた




葵は俺を見て微笑みそして





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